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日本橋―豊洲の航路=2024年6月13日、東京都中央区、黒田早織撮影
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 通勤時の電車やバスの混雑を緩和しようと、東京都が「船通勤」の取り組みを進めている。今春に3航路目が開通予定だが、利用は伸び悩んでいるのが現状だ。一方、大阪市には今も無料の公営渡船があり、年間150万人以上が利用する。なぜ今も健在なのか。

 都は2023年以降、日本橋―豊洲(約20分)、晴海―日の出(約5分)の2航路で運航。今春からは五反田―天王洲でも始める。民間会社が運航を担い、都が費用の一部を補助する。

 都担当者によると、利用者は「日によるが、1日数人~数十人ほど」。通勤手段と言えるほどの広がりはまだないという。1日数便で、運賃が500円と高めなのが理由とみられるといい、「その分快適で景色がいいなどの付加価値がある。PRを強化したい」と話す。

 東京はかつて、隅田川を中心に舟運が栄えた。都の資料では、現在の中央区だけで江戸~昭和に少なくとも10カ所の渡船場があった。交通量の増加や自動車の普及などを背景に1964年を最後に運航を終えた。一度失われた船を再び市民の足とするのは、容易ではなさそうだ。

橋もあるのに、なぜ渡船?

 一方、大阪市では公営渡船が現役だ。

 淀川水系の川の両側に工場が…

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